竜平

裏切りのサーカスの竜平のレビュー・感想・評価

裏切りのサーカス(2011年製作の映画)
3.9
東西冷戦下、英国諜報部「サーカス」の幹部の中にどうやら紛れ込んでいるらしい二重スパイを見つけ出すべく元幹部の男がその極秘任務を任されることに、というところから始まる話。

今作はというとまず『ぼくのエリ 200歳の少女』で監督トーマス・アルフレッドソンに興味を持ち鑑賞。静かな作風と、それとは裏腹に突き刺されるかのようないきなりのエグ描写とかに「節」を感じる。主演がゲイリー・オールドマン、で他にも豪華キャストが揃い踏み。ベネディクト・カンバーバッチ、トム・ハーディあたりは今と雰囲気もかなり違うからそこもおもしろかったり。舞台はイギリスとソ連にて激しい「情報戦」が繰り広げられていたという時代。主人公の記憶と共に様々な視点から入る回想、見えてくるそれぞれの思惑、そこから徐々に事実が紐解かれていく流れに引き込まれる。時間軸が行ったり来たりするのと、登場人物の多さと、更には諸々の説明が簡潔というか、シーンで一応は映すけどもあまり明確でないというか、自分の頭の中で整理と補完をしなきゃならないようなところが多々あって初見は結構こんがらがる。もちろんこれは敢えてなんだろうけどもね、静かで地味なそんな作風は好みの分かれるところかも。

ただ後々思い返してみたり、また改めてあらすじを読んだりすると全編通してしっかり伏線や描写があったことに気づく。めちゃくちゃ作り込まれてるんだなと後から気づいて、またそのうち見たいなって思った次第。なんというかスルメ系の、オトナなスパイ映画。
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