140字プロレス鶴見辰吾ジラ

裏切りのサーカスの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

裏切りのサーカス(2011年製作の映画)
4.1
”男のホストクラブ”

米ソ冷戦下
諜報部員たちに情報戦
陰に生きる男たち
裏切り者は誰だ?
誰も信頼できない
国の大義と男たちの思惑

偏差値高すぎ!ヒントも薄すぎ!
でも”面白い””頭良くなった気がする”

だって「男たちのホストクラブ」だもの。
誰の演技を肴に酒を飲むか?
誰の表情に釘付けになるか?

”当店人気No.1”
ゲイリー・オールドマン

”疲弊した顔がまたキュート”
コリン・ファース

”ザッツ髪は少ないが色男大賞”
マーク・ストロング

”エリート顔のホープ”
ベネディクト・カンバーバッジ

”ワイルドなちょい童顔”
トム・ハーディ

その他キャストが印象は揃い!!

あなたのご指名お待ちしております!!


裏切り者は誰か?劇中に出てくるカーラという不可思議な存在とは何か?と画面から得られるヒントをもとに推理する楽しみはあるが、正直1度や2度では確証というか、それ以前にこの手のスパイ映画の騙されたという感情すら追いつかない可能性が大きい。むしろ名優たちの演技合戦や、中年オヤジたちの無表情さの裏にある想いを所作から感じ取ったりと、ミステリーよりはロマンスを感じる映画として十二分に機能している。

謎の展開から伏線の配置から、ラストワンショットのクライマックスでの盛り上げ方は、決して銃撃戦やアクションを必要とせず、劇中で繰り返される、任務の現在進行形と過去の回想のカットバック、あの頃の大人としての青春を感じていた美しいモーメントに彩られて、哀しき男たちの宿命や劇伴の盛り上げからのジャストタイムフィニッシュは素晴らしかった。特にある男と男の愛が哀しき宿命に破断され、それが頬を伝う涙を疑似した演出でつらさや痛みを伝える演出は抜群に印象的。どうしようもなく裏でしか生きられない男たちに憧れてしまう世間との感覚のズレを包み込むような映画だった。