そのじつ

裏切りのサーカスのそのじつのレビュー・感想・評価

裏切りのサーカス(2011年製作の映画)
4.5
ゲイリー・オールドマンってそんなトシだっけ?と確認してしまったが、この時まだ50代なかば。ナイスな老け感とこの落ち着き。老け専女子がさぞかしザワついたに違いない。

口の端がクイッと上がっていて、それがなんとも色気がある。(ジャケ写は本編のイメージとだいぶかけ離れてる)。

近似値の口元を最近見た。尾上菊之助の月照さま。菊之助は水も滴る色男だが、彼の色香は男女どちらにも通用しそう。いつもキチンとしていて涼しげ。

そんなアヤシイ色香がゲイリー演じるスマイリーからも漂っていた。
まわりのキャスティングやシナリオも、そんなパワー以外の引力を描き出しているようで、そこが良い。

斜陽の国の微妙な立ち位置を描き出していて、面白い。(青池保子「エロイカより愛を込めて」7巻をちょうど読んでいたが、NATOの少佐がSISのエージェントを「過去の栄光」だのボロクソに言ってたなあ…閑話休題)

組織内部の裏切り者をつきとめるスパイ・サスペンスだけど、ラストKGBのツワモノとMI6のキレ者のシビれるような真剣勝負へと展開していく所がカッコイイ。
意外なところに伏線が潜んでいたりして、最後まで飽きない。

しかしみんなルックスがハデ過ぎてスパイと思えん。「サーカス」は言い得て妙。見世物的なグロテスクさも感じた。
そこいくとゲイリーの背景への溶け込み方は素晴らしかった!いつも静かに微笑んでいるような顔つき。スマートな物腰。完璧!乗ってる車もチョーカッコイイ!隙がなさすぎる。
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