豪華英国俳優大集合の渋さ濃密スパイサスペンス。
一度見ただけでは難解なストーリー。
話を理解した上でもう一度見ると、いかに必要最低限のシーンだけを繋ぎ合わせスマートに作られた作品なのかがわかる。
場面の切り替わりが激しく追い付けなかった部分も、実は直前の台詞や小道具で繋がりをわかるように工夫されており、かなり緻密に練られている。
スパイの内情を描く複雑な話で決して易しくない映画だが、一度見てモヤモヤしたのなら根気強くもう一度見てほしい。
｢二度目、真実が見える｣のキャッチコピーがまさにその通りなので。
英国俳優の競演が素晴らしい。
特にこの作品で初のアカデミー主演男優賞ノミネート入りしたゲイリー･オールドマンの、語らずとも伝わる静かな演技には目も心も奪われた。
エンドクレジットで一番最初に名前が出るマーク･ストロング演じるジムは、彼の物語でもあったと言えるほど重要なキャラクター。
全編通して切なさを漂わす瞳に感情を揺さぶられる。
あの最後の行動の先にいた相手はどんな思いで彼を見つめていたのか、二回見ても心の内は読めない。
