話がさっぱり分からない。そういうことはデヴィッド・リンチの映画では日常茶飯事だけど、今回は理解できないのではなく、なんかよく分からないのだ。
最初は自分の理解力と集中力の問題かと思ったら、これはリンチ自身も分かっていることだった。最終決定権が監督自身になかったため思ったように作れず、壮大な世界観をかいつまんでしまったためよく分からない作品になってしまったそうだ。
演出は相変わらず素晴らしいのに、話がよく分からないのはこのせいらしい。
ホドロフスキーはこの作品の監督を降板したが、この作品を観て「デヴィッド・リンチのような才能ある男がこんなつまらない映画を作るわけがない。彼もハリウッドのスタジオ体制の餌食になったのだ」と喜んだそう。喜ぶことじゃないだろ。変な奴だな相変わらず。
ドゥニ・ヴィルヌーブがこの作品のリメイクをすることが決まっているが、つくづくすごい男だと思う。リドリー・スコットとホドロフスキーが作ることすら出来ず、デヴィッド・リンチが失敗した映画をリメイクしたいなんて普通の監督は思わないよ。でも、彼ならやってくれそうですね。