【前衛メタ・ギャグ/ナンセンス本】
ジャン=ピエール・メルヴィルがそのぶっ飛んだ演出に大絶賛を贈ったジョン・ヒューストンのカルト作品。この頃流行ったポスト・モダーンの流れを感じる。
冷戦をバックボーンにしながら、メタ的な映画引用の洪水、スパイもの(007)からマリリン・モンロー、ニューシネマ迄自在にメディアMIXするヒューストンの悪ふざけと映画史への悪意タップリな戯作精神を買う。
何だかグライドハウス映画を観てるような珍奇ムードがあり、なかなかクセになる作風だった。『ゴングなき戦い』と並んで未だにDVD化される見込み無しという不遇なカルト作で、ヒューストンは何か奇妙なセンスがあるしか言いようがない監督だ。
ゴダールというよりも寧ろ軽薄なタランティーノとかアレックス・コックス的な脳内世界が繰り広げられ、若い感性の持ち主だな〜、と思った次第。