あれあれあれ。ありのまま感。アントニオーニさん肩の力抜けてる。ゴダールの商業映画復帰やウディアレンに触発されたかの如く。かっこつけやめましたいままですみませんでした感。ある意味『さすらい』の頃に回帰したかのような。
やっぱこの人女がいないとダメなんだなと。でもどうやって女性と会話していいのかわからないんだなと。ゴダールさんと同じだ。そういやこの頃はウディアレンもまだその一派だったのかなあ。などと可愛く思えてくるものさえあって。
あとやっぱこの人流行りもんに敏感なんだなだとか。ヒッチコック風味なども感じてみたり。やっぱこれまでも流行りもんに乗っかってただけなんだなあだとか。それにしても今回はいずれも上手くいってるとはいい難いわけですが。
『情熱』以降『さすらい』のときのぶっちゃけ感がなくなってたのを寂しく思ってたけど。それが戻ってきたらいい格好しいの産物たる荘厳なまでにヤバすぎの映像美が失われてしまったようで。両立ってできなかったもんかと。残念で。
ちなみにハスミンベスト141にはアントニオーニものは本作のみ。敬意を込め単独の遺作にあたるものを挙げたのではと思えてきて。ロッセリーニ『ヴァニナ・ヴァニニ』の期待度も下げたほうがよさそうな気がし始めたような、そんな次第です。