前方後円墳

カオマの前方後円墳のレビュー・感想・評価

カオマ(2004年製作の映画)
2.0
腎臓を抜き取る事件をめぐるサスペンス・ホラー。が、ホラーとしての要素はグロテスクな映像だけで、ほとんどサスペンス色が強い作品となっている。
シュンリン(カリーナ・ラム)とジーチン(アンジェリカ・リー)の交流など、物語の展開そのものは少々強引なところがあるものの、不可解な殺人者に対する緊張感と恐怖感は最後まで継続される。ダメ男、ワイマン(アンディ・ホイ)にあきれながら、物語は先が読めないまま進んでいく。
結局はありきたりの展開なのかもしれないが、シュンリンとジーチンの愛憎が基本にあるので、彼女たちの狂おしいばかりの女の表情と重なり合い、重厚な緊張感が保たれている。
クライマックスは完全に女のバトルと化すのだが、ラストシーンが驚きだ。腎臓で復讐という狂気の沙汰に近い発想に少々戸惑いながらも、それなりにうまく締めくくられている。