wiggling

シュトロツェクの不思議な旅のwigglingのレビュー・感想・評価

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今回の特集上映作品の中では唯一の現代劇。そしてヘルツォークによるアメリカ論とも言える本作は、乾いたユーモアや嫌味の行間に優しさも窺える奇妙な寓話のごとき一本。

暴力や貧困を描きながらも軽妙な語り口なのが面白い。破滅に向かうラストですら妙に可笑しい。
ひたすら回り続ける無人の車は『小人の饗宴』のモチーフの再利用だし、芸をする小動物の悪夢的な繰り返しもリンチを思わせる歪んだユーモアで強烈に記憶に刻まれる。

辺境にこだわり続けたヘルツォークが描くアメリカは、ある意味で辺境よりも過酷な場所。アメリカンドリームを打ち砕く破壊力に満ちた、ダークなロードムービーでした。