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シュトロツェクの不思議な旅のleylaのレビュー・感想・評価

4.6
ジョイ・ディビジョンのイアン・カーティスが今作を観た後に自死したことで気になっていました。

主役のブルーノ・S本人の人生が反映されているとのこと。ブルーノを調べるほどに奥深くて、彼のことを書くと長くなるので割愛しますが。

アメリカをシニカルにユーモラスにアイロニーたっぷりに描いた奇妙な物語。

刑務所から出所した男ブルーノと娼婦と老人の3人が、ドイツから憧れのアメリカへ渡る。アメリカが夢の国なんかじゃないってわかった頃には、どんどん追い込まれていき…。

踊り続けるニワトリ、回り続けるトラックとチャっちぃリフト…
残酷で悲惨で最高すぎるエンディングだった。
笑えない状況なのに、無性に可笑しくて哀しい。
最高〜♪
「IS THIS REALLY ME!」

音の使い方がイチイチいい。ベートーヴェンのピアノソナタ、ブルーノのアコーディオン、小さい爺ちゃんが弾くショパンとベートーヴェン、移動式プレハブハウスのチープな音楽、動物たちが奏でる奇妙なサウンド…すべてが効果的でまいりました。

人生なんて、みっともなく回り続けるもんなんだと思えた。
ありがとう、ヘルツォーク。
ありがとう、シュトロツェク。
ありがとう、ブルーノ。

♪SONNY TERRY「WIZARD OF THE HARMONICA」
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