不思議な旅がすぎる、と言うか哀れな結末すぎる。終盤、特に競売以降の一連の流れが最高すぎて爆笑を禁じ得ずハゲる、面白い、もはやハゲしろいの称号を差し上げたい。なんせブルーノ・Sのハゲ散らし方が完璧だし、ヒロインのブス具合が絶妙だし、隣のジジイの奇行が意味わかんないしで三者三様に愛せるキャラクターだし、そんなブスが情夫二人にフルボッコにされる田嶋陽子先生界隈が観たらゴンさん並みに毛を逆立て激昂しそうなシーンなんて、いいぞもっとやれなんて思ってないけど一人「Wow!!!」と外人みたいな反応さえしてしまった。全盛期のスキャットマン・ジョンを凌ぐスピードで、サクサクと家とテレビを売りさばく謎の大佐の有能さ、めちゃくちゃプッチンプリン食いたくなった。踊り狂う鶏、けたたましいサイレンを鳴らし続けるウサギ、燃えながら回り続けるオンボロトラック、リフト、そして銃声、なんだこれめちゃくちゃ面白いやんけへへ〜と中田カウス師匠ばりの笑顔をもって劇場を出たまでは良かったが、よくよく考えたらこれむしろ俺やんけ…なんて思って来ちゃって途端に虚しさに襲われた。働けど働けどなお我が暮らし楽にならざりじっと手を見る余裕もなく、「もう悩みも無くなった」なんて、悲しいこと言うなよシュトロツェク…。陰謀だ!陰謀だ!と騒ぎ立てるジジイ、そうだよなぁ、そうなんだよなぁ…と激しく同意、いやハゲしく同意、やっぱりこの作品はハゲしろいけどとても寂しい作品だと思う、生きるの辛い、もう無理…。