藤見実

シュトロツェクの不思議な旅の藤見実のレビュー・感想・評価

5.0
二度目の感想
『アギーレ』や『フィッツカラルド』で示される凱旋に比べて、『シュトロツェク』がその舞台にすら立てずに(最後のロープウェーでの登り下りをそう捉えることも可能かもしれないが、あれだって「グルグルまわって」いるだけだとも言える)世界に潰される姿を描くヘルツォークは、とても優しいのかもしれない。矮小化された事物(世界一小さい船、檻の中の九官鳥、冒頭の球体に写る影、商業的インディアン等々)に、(たとえばヴェンダースのようにそれを都市的な感覚で称揚するのではなく)あんなにも悲しさ混じりの優しい眼差しを向けられる監督を私は他に知らないかもしれない。it’s real meが悲しすぎる。








初見の感想
冒頭水をためた何かに映る動きを撮ったものと、中盤の凍った湖のシーンが特に印象に残っている。

主演男優とヒロインが本名での出演なのが飾らなくて良いような怖いような。

車での移動、アメリカ🇺🇸アメリカ🇺🇸アメリカ🇺🇸アメリカ の連続。ヘルツォークらアメリカをどう見ていたのかよく見えるのだが、これはアメリカ批判というよりは世界への抗いだろう。。

ブルーノが自分をichではなくブルーノと呼ぶことが多いところになんとなくブルーノが出ている気がする。老人のキャラクターもなかなか上手くかけている。「秘密警察に言うぞ」

ラストの動物シーンは小人の饗宴を思い出させられた。

2018.3.6みなみ会館 ヘルツォーク特集にて

2018.12.7サークルの上映会で
藤見実

藤見実