狭須があこ

君を想って海をゆくの狭須があこのレビュー・感想・評価

君を想って海をゆく(2009年製作の映画)
3.9
アウトレイジ好きの私の担当美容師、いつも映画の話をします

美「こないだ、適当に目にとまった映画借りたんよな。タイトル覚えてないけど」
が「あらすじは?」
美「遠くの恋人に会いたい男が、そうだ海を泳いでいこう!と思ってプールでクロールの練習をする」
が「………あァまぁジャケ借りは…当たり外れありますよね」
美「けっこう深い話だったよ」
が「??????」

その話を聞いた後日に別の映画のDVDを見てたら、予告動画の中に酷似したあらすじの作品を見つけました。こ、コレか!
この映画紹介するのに、「難民問題」って言葉使わないヤツおる!?

ドーバー海峡って、一番狭いとこでも34キロあるんだって。
でも最短をキッカリ渡るはできないじゃん。寒いし流れが早いし、10時間以上休まず泳ぐんだって。たいへん。
ピンと来るほどにはわかんないので、とりあえず遠泳の記録を検索してみたんだけど、「160キロを53時間で渡りきった64歳女性」とかいう超人が出てきました。ちょっと空気を読んで欲しい。
そして映画化して欲しい

原題の意味がわかった瞬間に、あぁ~…ってなりました
「誰でもウェルカム!」って言うのは、「ただしイケメンに限る」とかそういう話ですね。
人間って、自分に都合のいい生き物だから。

「誰か一人が降りなきゃ船が沈む」ってなったときは、みんな自分から縁遠い「誰か」が降りればいいと思う。「罪人」が降りればいいと思う。
でも「誰か」や「罪人」は、名前を知れば「彼」という身近な存在になってしまう。
努力する権利すらない。居たい場所に居るだけの権利すらない。
運が悪いって罪なんですかね

私はこうやって若者に手をさしのべるおっさんに、「親」を垣間見る瞬間が好きです。

そんなわけで、私の担当美容師はどんな名作でもクソつまらなそうなあらすじにして紹介してくれる男です。
また彼の紹介映画見よう
狭須があこ

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