みおこし

郵便配達は二度ベルを鳴らすのみおこしのレビュー・感想・評価

3.6
片田舎のガソリンスタンド兼ダイナーに、やってきた流れ者の男フランクは、オーナーの美人妻コーラと瞬く間に恋に落ちる。コーラとの関係を理由にそこで働き始め、密かに逢瀬を重ねるうちに、いつしか二人はオーナー殺害の計画を立てる...。

39歳の若さで、悲劇的な最期を迎えたことでも知られる俳優ジョン・ガーフィールド。彼が赤狩りの波に飲まれる前、ハリウッドでタフガイの名を欲しいままにしていた頃の代表作の一本。
モノクロのクラシック映画なのに、ジョンのあの荒々しくセクシーな雰囲気が画面から伝わってくるのがすごい。しかも相手役は稀代のセクシー女優、ラナ・ターナー!
1981年版はジャック・ニコルソンとジェシカ・ラングという、よりワイルドな感じが伝わってくるコンビでしたが、本作の二人もものすごい色気を放っているので、なんだか直視できないくらいエロい!(笑)
ツッコミどころはただ一つ、なぜあんなに妖艶で美しいコーラが年上すぎるおじいちゃん(富豪というわけでもない)と結婚したんだということ!!!!(笑)

とはいえ、お金目当ての殺害計画でもあるので、1930年代〜1940年代というアメリカ不況の時代背景を考えると自然な流れなのかもなとも思いつつ。でもきっと私でもジョン・ガーフィールドに迫られたら拒めないなと納得(何の話だ!笑)。
禁断の愛に燃えて、どんどん堕ちていく男女の姿は何とも悲劇的かつスリリング。何度も映像化されるくらいの作品なので、1946年版も非常に楽しめました。

特典に収録されていたガーフィールドの伝記も見たのですが、ユダヤ人としての自分に苦悩したり、人気絶頂期に幼いお嬢さんを亡くしたり赤狩りに巻き込まれたりと、とにかく波乱万丈の人生に言葉を失いました。彼の作品は日本ではあまり知られていませんが、もしもっと長生きされていたらさらなる活躍ができたであろう、誰もがリスペクトする演技力と魅力を持ち合わせた人物だったので残念でなりません...。
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