子供の頃、タツノコプロのアニメの中で好きな順で1、2位を争う作品が新造人間キャシャーンでした。
「超破壊光線」という、等身大ヒーローの中で最強(※)の必殺技が大好きでした。
ドラマ性にも富み、大人になってから観ても充分鑑賞に耐えられるアニメでした。
(※昭和のヒーローにおいて)
さて、その私の大切なアニメが2004年に実写化されたときは、これは面白そうだぞ!!と興奮したわけですが…
ナ、ナンジャコリャ…
こ、こんなのキャシャーンじゃないやいっ!!
監督・撮影監督は紀里谷和明。
いや、映像は面白いんですよ。
世界観も当時では斬新だったし、同じく当時の邦画としてはVFXも頑張っていると思います。
ただ、やり過ぎなんですよねぇ…
「新造細胞は…あります!!」
と、東博士は言ったかどうかわからないが、とにかく新造細胞が暴走して新造人間になっちゃった!!Σ( ̄□ ̄;)
あわてて皆殺しにしようとするが、生き逃れたブライキング・ボス達は人類に復讐をするためにロボット兵団を率いて宣戦布告をする。
一方、東博士は戦死した自分の息子の鉄也を新造細胞で蘇らせる。
新造人間となってブライキング・ボスを追う鉄也は途中の村で守り神の像と出会う。
その守り神の名を取って自らをキャシャーンと名乗るようになる…
全体的に重い空気が息を詰まらせる。
私は割りと好きな映像かも知れないが、多くの方々は肩が凝ってしまうのではないだろうか。
面白いが疲れる映像なのだ。
写真やPVであれば魅力ある映像も、映画となると評価が違うことを紀里谷監督は学んだことと思う。
私の好きなアニメが滅茶苦茶にされたのには怒りさえ覚えたが、新しい才能に期待したい気持ちも生まれた映画でした。
今作で私が一番印象に残っているのは、サイバーパンクな大滝秀治さんです。
10年以上前に観たきりなので、機会があったら再鑑賞したいと思っています。