友

CASSHERNの友のレビュー・感想・評価

CASSHERN(2004年製作の映画)
3.7
観た当時は大好きだった。
こんなに美術力を押し出した映画って無かったし衣装とかシーンとかイチイチ綺麗だったし、役者陣も好きな人ばっかりだったし。
ただ大好きだった当時でも所々?なセリフや繋がりがあって最終的な終わり方も好みでは無かった。

でもそれでも大好きだった点は所々にある心を抉られるシーン。
キャシャーンの原作は知らずに観たから分からないけど、あの敵役達の過去はかなり悲しい。
中でも1番グサっと来たのが要潤が演じた役で何もかも思い出した後に最期に許す所。
許すというか諦めたというか。
どんなに過去が無惨でも総て終わるこの時に何も痛くないならもういいよって。
私だったら腹が立って怒り狂ってふざけるなって叫ぶだろうなって所でまさか「許す」なんて言葉が出てくるとは思わなくて
自分には経験のない苦痛で怒りより苦痛が強いんだなって思ったら悲しくて泣けた。

確かに独り善がり感溢れる説明不足映画ではあるけど戦争の無意味さと悲惨さはちゃんと伝わる映画だと思う。
友