アフリカ系ドイツ人の女性歌手が、幼い頃に経験した実話がベース。
武装勢力に脅されて自らの手で両親を殺してからはじまるアフリカの少年兵の話はみなさんも何度も見てると思うんですけど、これはそんなことはなくやたらリアル。
・生意気な子どもを武装勢力に預けてしまう親。
・武装勢力の中でも、子どもに武器を持たせることには戸惑いがある。
・解放戦線(というか共産主義者)の原動力は怒り。
・一枚岩ではない同志たちの考え方。
こんなあたりで展開している。
所属しているのはエリトリア解放戦線(ジェバ)で女性リーダーがかっこいいけど思想が過激。相手勢力に取り込まれるから子どもを残していくくらいなら殺したほうがいい。
死体が漂着しているくだりが印象的で、台詞にはなってないけど、それが原因で、主人公は脱走を決意するのがはっきり伝わってくるのだった。
レイプとか拷問とか薬物中毒とか、露悪的なプロットがないのもいいね。
俺たちは戦争映画がみたいけど、そういうのは疲れるのであできればやめてほしいと常々思ってる。
主人公のいま現在が、歌手として成功しているということも、この映画においては重要な要素になっている。
面白かったです。