あみるかん

バシュー、小さな異邦人のあみるかんのレビュー・感想・評価

バシュー、小さな異邦人(1986年製作の映画)
4.4
バフラーム・ベイザーイー監督による反戦映画。主演は当時の監督の妻スーサン・タスリーミー(後に離婚)。

【あらすじ】
戦争の最前線に近い地域で暮らす少年バシューは戦火に巻き込まれ家族を失う。トラックの荷台に乗り込んだ彼は縁もゆかりもないギーラーン地方にたどり着く。言葉が通じず、よそ者として疎まれる彼を唯一受け入れてくれたのが2人の子供の母親であるナーイーであった。バシューとナーイーの交流を通じて間接的に戦争の悲惨さが描かれる。

自分と他者の違いを受け入れて、お互いに尊重し合うことの大切さがとても良く伝わってきた。それは個人と個人の関係だけでなく、集団と集団、国と国などより大きな関係でも言えること。人間の一人一人の行動が平和に繋がるのだということを考えさせられた。

バシューはアラビア語、ナーイー達ギーラーン地方に暮らす人々はギーラーン地方の方言を話すため、イラン人が観ても何を話しているのか殆ど分からないらしい。平和に言葉は必要ないというベイザーイーのメッセージなのだろうか。
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