KnightsofOdessa

大酔侠のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

大酔侠(1966年製作の映画)
4.6
No.451[キン・フー映画にハズレ無し] 95点↗

去年リマスターされた「侠女」を見て即座にオールタイムベスト入りを果たしたのを踏まえて、キン・フーの武侠映画ということで鑑賞。当然期待値も上がりきっているわけだが、90分とは思えない二転三転する濃厚な物語を楽しませてもらった。

アクションは「侠女」の方が面白い。というのも、水に飛び込む演出はスタッフが水を横から投げ入れているし、カメラが切り替わると人の配置が変わっていたり、手からフォースを出す謎の演出まであり、あまりに自由すぎてただ圧倒されるだけになっているのは残念だった。その点「侠女」はアクションとストーリーのメリハリがあって、カットも一々カッコよかったと思う。まぁ、技術の発展とかもあるし、一概に悪いとも言えないが。

それでも、やっぱりキン・フーらしい鬼のようなカット割りで導入される凄まじい緊迫感と臨場感は他の武侠映画の追随を許さない。多くの監督が彼の作品を真似しようと数多くの作品をが生み出されてきたが、その多くが歴史の藻屑となって消えた。そう考えると、後発の映画がほとんど超えられないという厚く高い壁を残した本作品(と彼の武侠映画群)はこれからも語り継ぐべき映画遺産なのだろう。

主演は、本作品によって”武侠映画の女王”となったチェン・ペイペイ…と思いきや、物語上のオイシイところはユエ・ホアが持っていったりしている。個人的にチェン・ペイペイは「侠女」のシュー・フォンなんかより(失礼)ずっと可愛いし、なんならペイペイ版「侠女」も見てみたかった。どうやらキン・フーはショウ・ブラザーズの上層部とやり合って台湾に行き、そこで「残酷ドラゴン」と「侠女」を完成させているらしいので、叶わぬ夢の類なのだろう。

どうやら続編があるらしく(チャン・チェ監督作「大女侠」)、IMDbでの評価も本作品と同じなので、案外面白いのかもしれない。あ、ジミー・ウォングだ、やめた。

追記1
思い出した。敵のボスっぽい白塗りくんがハライチの岩井勇気そっくりだった。

追記2
デレたチェン・ペイペイが気に入ったのでBlue-rayを買ったのだが、画質がめちゃくちゃ良くて興奮している。ペイペイも白塗りくんも高画質で蘇っている。