のほほんさん

マーティン/呪われた吸血少年ののほほんさんのレビュー・感想・評価

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特筆すべきこととして、出演してるロメロ、サビーニにヒゲがない!(笑)


まあそれはともかく、神父をロメロが演じているのは面白いポイントかもしれない。
マーティンが本当に吸血鬼なのか、あるいは単に頭のおかしい人なのか、それはハッキリしないしロメロも明言していない。
吸血鬼映画とも、青年の煩悶を描いた作品とも取れる。
本作の面白さはそこにあると言える。


そんな中でハッキリしているのが、敬虔なカトリック教徒である従兄弟のクーダは、その教義とか古い考えに凝り固まっている。
その古い考えの原因となってるカトリックの神父を監督が演じているってのは中々の皮肉。


吸血=セックスの伝統的な図式が成り立たないのもまた本作の面白いところ。
マーティンはセックスをしたいと思っているけど、過去に好意を寄せていてセックスに至りそうだった少女の血を吸ってしまった。
血を吸う時に裸になって擬似のセックスを行うようで、男の血も吸う。
ついにセックスに至った人妻に対しては血の渇望がないように見える。


初めて本作を観たのは大学生の時だった。
雑誌の読者プレゼントにダメ元で応募したら運良く当選したDVDが初観賞だった。
まさか当たるとは思っていなかったから、ポストに入ってた時は興奮したなあ。


その時と今回、10年後くらい経ったらまた違う見方をするのかもしれない。
そんな味わい深さが本作にはある。


今回は「アミューズメント・パーク」のおかげで劇場鑑賞が叶ったわけだが、本作で一番人格的に問題あるクーダが、「アミューズメント・パーク」では(同じような衣装で)散々な目に遭う。
あっちでマーティンの恨みを晴らそう(笑)