ベルサイユ製麺

造られた殺人のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

造られた殺人(2015年製作の映画)
3.3
意欲作!おもしろ…いです。
タイトルとジャケットの印象からスリラーを想像してましたが、トータルではダークコメディですよ。

仕事のミスで窮地に陥った記者が、藁をもすがる思いで持ち込んだ連続殺人事件の犯人の(凄く不確かな)手掛かりが、バズってバズってさあ大変!イガイタイヨー!…です。トップページのあらすじはちょっとネタバレ気味です。
報道機関の不誠実さやポスト・トゥルース論など、非常に今日的なテーマ立てなのですが、語り口が基本コメディなのが新鮮です。邦画なら、皆んな顔をしかめて大声大会になるところです。
後半、シリアスな展開になってもトーンは変わらず、演出を韓国映画マナーの不気味な物に振り切ってしまわないところが偉いです!ナイス自制心!バタバタしたままの刃傷沙汰は寧ろリアルに思えます。普段、うっかり自分の血を見る時って大概おマヌケな動きになってますからね。
欠点は登場人物の行動、というか脚本の杜撰さです。アラを誤魔化すためのコメディ感なのでは?なんて勘繰られそうです。あと、ちょっと長いです。30分は削れそう。でもまあ、おもしろ…いです。
殺人犯周りの描写は流石にちょっとグロテスクなので、ドクロメーターは2ドクロとさせていただきます!

本作とは直接関係無いのですが、今まで気付いてなかった事が…
韓国映画だけ、いつもクレジットが全部ハングルで日本語の字幕とか出なくて不親切だなぁと思ってたのですが、よく考えるとどこの国の映画でもクレジットに字幕は出てませんね!気付いてましたか⁇…あ、そうですか…。