てるる

プリズン・サバイブのてるるのレビュー・感想・評価

プリズン・サバイブ(2008年製作の映画)
4.0
こ、これは隠れた良作!!
刑務所映画ってハズレが少ないけど、これも見応えあり。

真面目に生きてきた男が、押し入り強盗を誤って殺してしまったことで凶悪犯用の刑務所へ送られてしまう。
そこでは囚人同士の争いと、看守達の容赦ない暴力が待ち受けていた。

主演はスティーブン・ドーフだけど、彼と同じ監房に入るヴァル・キルマーが渋い!

久しぶりにカッコ良いヴァル・キルマー観れた!
最近太ったなーと思ってたけど、今回はそれが功を奏して、貫禄たっぷりのベテラン囚人役がハマりすぎ。
凶悪と思われた彼の腕に刻まれたタトゥーの意味が切なすぎて泣ける。

そんな彼を友人と呼ぶ元刑務官にサム・シェパード。
これまた渋くて彼がまた泣かせてくれるんだこれが!
スティーブン・ドーフもこの映画の為に鍛えたらしく、普通の男がだんだんと刑務所に染まっていく姿を演じきってる。

エキストラも元囚人やギャングを起用してるし、実際の刑務所へリサーチを重ねたとのことでリアルさが凄まじい。

刑務所でも、悪党なりの美学を持った奴とセコい悪党がいて、どちらを選ぶかは自分次第。
でもどっちを選んだとしても命懸け。

生き残る為に周りに合わせなければ、タフにならなければ生きていけないのに、その分家族が離れてしまうのも「ブラッドスローン」みたいで切ない。

看守も理不尽な権力や暴力を振りかざすけど、それぞれ家に帰れば普通のお父さんだったりするのも印象的だった。

後半ちょっと駆け足気味だったけど、ラストはめっちゃハラハラ!!
もう心の中で「早く早く!」てなって前のめりで観てた。

このダサすぎる邦題とジャケのせいで観てる人少ないけど、オススメです。
てるる

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