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ベイブ/都会へ行くのmaverickのレビュー・感想・評価

ベイブ/都会へ行く(1998年製作の映画)
3.4
『ベイブ』の続編。1998年公開。


金曜ロードショーなどの地上波向きな作品かなと。昔はよく放送されていた気がする。

前作の『ベイブ』は今観ても秀逸な作品だった。家畜である子豚のベイブが、牧羊犬としての存在意義を示す過程が感動的で。ご主人との関係性も胸に響くし、のどかな農場の自然豊かな風景と愛らしい仲間たちに癒された。続編である本作にも期待していたのだが、自分的にはイマイチだったな。

まず全体的にごちゃごちゃしすぎ。基本的にドタバタ劇なのだが、都会の喧騒とも相まってうるさいと感じてしまう。ジャケ絵からはほのぼのした雰囲気を感じるが、中身はほぼ別物だった。都会へ行くといっても夜の雑踏みたいな絵面だし、宿泊するホテルや保健所やら何故か室内が多かった。ご主人であるアーサーが最初と最後にちょびっとしか出てこないのも残念。ジェームズ・クロムウェル演じるアーサーのキャラが際立っていたのが前作の良さでもあったのに。代わりに夫人であるエズメが活躍するのだが、中盤はほぼ出番なし。最後はドタバタして終わりだった。じゃあベイブの独壇場かといえばそうでもない。主人公として最初から最後まで奮闘する姿を見せるも、他の新しい動物たちの方が目立っている。都会で捨てられた動物たちの姿を見せ、前作同様生き物の命というものを考えさせるメッセージ性はあるのだが、そこも前作ほどの響きはなかった。

感動的だったのはラストかな。農園に戻ってくると安心感がある。都会で人間と共存するたくましさが動物にはあるけど、やっぱり雄大な自然がある場所こそが動物たちには最適だよね。都会であっても自然を取り入れる街づくりをすることは大事。人間にもそうだし、他の生き物たちにも必要でしょう。


90年代の娯楽映画な印象。肩の力を抜いて気楽に観るのがいいかな。ちなみに監督は『マッドマックス』のジョージ・ミラーで、これにはびっくりだった。ごろつきどもが街に溢れている場面にそれっぽさを感じる。全体的にダークなイメージなのはこの人のせいか(笑)。
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