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スウェプト・アウェイのkuuのレビュー・感想・評価

スウェプト・アウェイ(2002年製作の映画)
2.5
『スウェプト・アウェイ』
原題 Swept Away.
製作年 2002年。上映時間 89分。

無人島に漂着したブルジョア夫人と船乗りのラヴ・ストーリー。
1974年のイタリア映画『流されて』のリメイクイギリス・アメリカ合作。
監督・脚本はガイ・リッチー(手を抜いたのかスランプだったのか。。。)。
出演はマドンナ、新進のアドリアーノ・ジャンニーニ、ジーン・トリプルホーン、ブルース・グリーンウッド、エリザベス・バンクス、デイヴィッド・ソーントンほか。

ギリシャからイタリアへ向かうプライベート・クルーズ船。
この船上でアメリカから来た富裕層のカップルたちが豪勢なバカンスを楽しんでいた。
しかし、ただ一人、製薬業界の大物トニーの妻アンバーだけは不満を露わにしている。
既にトニーとの夫婦仲も冷めている上に傲慢で利己的な彼女はなかなか鎮まらず、特に船員の一人ジュゼッペ相手に怒りをぶちまけていた。
そんなある日、アンバーは洞窟探検に出掛けた友人たちを追うため、ジュゼッペに無理矢理ボートを出させる。
だが、その途中、2人はボートの故障と嵐に見舞われてしまう。。。

今作品は、ビジュアル的にはとても綺麗な作品でした。
海の色は青く、白い砂浜は美しい。
白砂青空(ホントは白砂青松やけど松は見当たらなかった)。
この映画から得られる唯一の喜びは、サルデーニャ島のビーチを鑑賞することであるほど、撮影と描写は息を呑むほど美しかったです。
しかし、プロットの欠如や主人公の誤った性格を補うことはできないかな。
マドンナは、マッチョなイタリア人のステレオタイプな野郎と島に置き去りにされ、小生は小心なティーンエイジャーを思い出した。
彼女は、やんちゃなティーンがするように、夫とイタリア人のマッチョな男と関係を持つ。
申し訳ないのですが何の深みもない。
面白いシーンは単にこっ恥ずかしいだけやった。
ガイ・リッチーはどうしてこんなひどいものを作ったんやろか?
彼の素晴らしい作品を観た後では、何の意味もなさない。
スローモーションの空涙と、それに伴うピアノで、胸悪くなった。
今作品は、クソガキの支配者/被支配者のような演技をする大人たちのビーチでのお遊びかな。
(マッチョに服従した後、マッチョの足にキスするマドンナ。)
この大人二人の島のシーンのほとんどは、ホームムービーのように撮影されとる。
マドンナは演技をしない、自分を演じるだけやん。
合図で泣けるからって、女優とは云えんて。
当時の妻であったマドンナを起用した理由を尋ねられたガイ・リッチーは、
"安くて使えるから "
と答えたそうです。
ちょい商業的物云いは腹立つなぁ。
マドンナからしたら今作品の失敗が、彼女の女優としてのキャリアにケチが付いたんちゃうかなぁとは思う。
個人的にはWOWOWでやってて見た作品でダントツに嵌まらなかった。
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