こたつむり

スウェプト・アウェイのこたつむりのレビュー・感想・評価

スウェプト・アウェイ(2002年製作の映画)
3.4
♪ ねえ ほんとは 永遠なんてないこと
  私はいつから 気付いていたんだろう

なんだ、これ(笑)。
と思わず“かっこわらい”を付けたくなる作品でした。というか、本当にガイ・リッチー監督の作品なのでしょうか。いつもの筆致は鳴りを潜め、やたらと甘ったるいんですが。

しかも、作品のど真ん中にいるのはマドンナ。
僕は彼女のことに詳しくないのですが(バイトの先輩がカラオケで『Like a Virgin』を歌っていたのを聴いたくらいのレベルです)こんなにも“イヤな女”が板につく女性だったんですね。ガチでムカつきましたよ。

でも、本作では彼女がヒロイン枠。
えー。マジですか。
それってギャグじゃないんですか。
どう見ても敵役が相応しいんですけど。

だってご覧なさい、あの鍛えたボディ。
ミュージシャンと言うよりも格闘家。無人島に漂流しても生き抜くことができる身体です。断崖絶壁なんて「ファイト!一発!」で乗り越えられるレベルです。

なので、やっぱり本作はコメディなのでしょう。
人間誰しも極限状態に陥ったら目の前にある手を掴んでしまう…そんな状況を皮肉的に描いた高度でシュールな作品なんです、たぶん。

なお、僕が鑑賞後に知った事実ですが。
ガイ・リッチー監督とマドンナは結婚していたんですね(2008年に離婚)。つまり、本作は監督さんが自身の地位を濫用して撮影したホームビデオみたいなもの。そりゃあ、落ち着かない気分になるのも当然です。

でも、それならば。
もっと、伴侶を魅力的に撮った方が良かったんじゃないかな…それとも、既に本作撮影時には破綻していて、深層心理が反映されていたとか…もしくは、妻をボロボロにしたい…そんな趣味があったのかも…うへえ。

まあ、そんなわけで。
ガイ・リッチー監督のプライベートを妄想するに丁度良い作品。まかり間違って本作を恋愛映画と捉えたら肩が下がるどころか、脱臼してしまうので注意が必要です。
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