考古学ツアーの参加者たちが、メキシコの田舎町で邪教の罠に嵌められてしまう。「面白い要素を片っ端からブチ込んでやろうぜ!」的に製作されている、スプラッター・コメディ。S・P・ソムタウ監督は、音楽家を本業にしている人物。
シスターとのあいだに子供を作り、反キリスト教の邪念に苦しめられている中年神父が、実質的な主人公の立ち位置。その場の思い付きのようなハチャメチャ展開により、神父の葛藤劇から生贄の儀式へと、物語が突き進んでいく。
ツアー参加者は、神父の内縁の妻となる元シスターとその息子、神父に興味津々な女子学生、オカルト信奉者の夫婦など。例によって、物語的に不必要となる人物が、"変な死に方"で順番に退場していく。人体破壊のオンパレードが心地よい。
クライマックスに入ると、ゾンビ軍団とのバスケ試合、着ぐるみ怪獣同士の対決など、整合性無視の未知なる衝撃が押し寄せてくる。製作者の意図が伝わっているかどうかは別として、"意味不明なところが面白い"作品の典型例といえる。