ちいさな泥棒

世界終末の序曲のちいさな泥棒のレビュー・感想・評価

世界終末の序曲(1957年製作の映画)
4.0
もう大好きほんと。

もしかしたら巨大生物モノが好きかもしれないなんて目覚めはじめて他のも観てみたけどいまいちハマれず。たぶん私はバート・I・ゴードンのつくる巨大生物モノが好きなのかもしれない。今作での巨大イナゴとか写真に這わせてるだけだからビルからはみ出て空まで歩くという香ばしさなのに、実際いたら嫌だってリアルさと夢があっていい。でっけぇイナゴがいきなり窓の外にいてこちらを覗いてて窓ぶっ壊すとことかイナゴといえどこの世の終わり感ハンパない。

あと「へぇそうなんだ〜」っていう妙な部分の設定がしっかりしてたり、イナゴって威嚇するとき脚を摩擦させてチュインチュインチュインチュインてすげぇうるさい音をさせるらしくて作中もとにかく耳障りなんだけど、この手の知識をぶっ込んできてくれたりするところがたまらなく好き。

あとから知ったんだけど予算の関係か撮るのが大変だったからなのかわからないけど、イナゴが飛ばないように羽を取ってたようなのですがそこも作中で「羽だけは巨大化しなかったようだ」ってこじつけるあたりも香ばしくて最高ですね。マジメに観たらある意味負けです、バート・I・ゴードン。ひと一倍映画への愛ややりたいことや夢や少年心を感じるのにこの辺のゆるさがすごく心地いい。ズボラやムチャに見える部分も工夫があって今のCGに頼りきって逆に立体感が失われてしまったというか、のっぺりと見える作品達よりは全然いいと思うし抜群に愛せますけどね!