円柱野郎

乳母車の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

乳母車(1956年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

父親が不倫していると知った娘は、いても立ってもいられずに相手の家に行ってみるが…。

なかなかドロドロしそうなテーマの割に鑑賞後の感じが良いのは、登場人物の前向きな感じが伝わってくるからだろうか。
ホームドラマとしては嫌いではない。
父親役の宇野重吉は、煮え切らないのにあんまり嫌味がない演技に目が行くね。
父権があるようでオーラが弱いのに対して、自立していく不倫相手や妻たちの姿を見ると、この時代にあって戦後の家族観としては先取り…かまさに変化していく合間の様子といった感じがしたかな。

主人公の芦川いづみと、相手(父親の不倫相手の弟)の石原裕次郎が話を引っ張っていくけれど、若くて魅力的。
石原裕次郎はカッコイイ役どころではなく、気取らない普通の兄ちゃんといった風情で、「ああこの人は上手いんだ」と再認識した次第。

感覚的には今見ても十分、古い映画とは思いませんでした。

他には昔の関東の風景…、鎌倉駅や由比ヶ浜、東急九品仏駅が見られるのがなんだか興味深いね。
円柱野郎

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