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エレクション 死の報復のmayaのレビュー・感想・評価

エレクション 死の報復(2006年製作の映画)
4.7
1はシンプルに物語の面白さがあるが、2はいよいよ役者が揃ってキャラクター同士のドラマになっている。合わせて最高。
「普通に生きたいだけだったのにボスになっちゃった」系の場合、視聴者側から見て「あっ、この人戻れなくなったな」というポイントがわかる部分が、本人が「気づいたら戻れなくなってた」と悟るラストよりかなり前にあるが、本作はジミーが船で部下を殺害する所。辛そうな顔から平静に戻った以降のルイクーの端正な無表情の凄みよ。あの表情の変化があるだけで、四肢切断を平然とやってのけるジミーの狂気に説得力が出る。カタギぶってるけど彼はもともとちょっとヤバかったよ、みたいな。
ロクの見苦しさとヤバい男感が百点満点。釣りのシーンでは「なんで1でちょっとでも大らかなリーダーだと思っちゃったんだろう」と頭を抱えるくらい怖い。今振り返れば1のあのハッピーなシーンがめちゃくちゃホラーじゃん...。あの表情、見覚えがあると思ったら「アシュラ」のパクソンべですね。絶対ファンジョンミン参考にしたでしょ。
2の推しはトンクンですね。トラックの荷台のシーンかっこ良すぎる。どう考えてもボスにはなる器じゃないけど、同じタイプのディーと比べて、器のデカさと頭の良さがあり、過激派としての凄みが増し増しで、色気がすごい。
ジミーの真っ黒な衣装、当選してはじめて、闇からぬっと現れる様が「真打登場」感の表現として最高でした。ゴッドファーザーのマイケルも闇の中に溶け込んだようなカットが効果的に使われてたけど、本作はそれを意識したんじゃないだろうか。階段から突き落とすシーンはゴッドファーザー3のオペラ座のカットとよく似てるし、ゴッドファーザーシリーズは結構参考にしたんだろうな。
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