松長もんど

反逆のパンク・ロックの松長もんどのレビュー・感想・評価

反逆のパンク・ロック(1983年製作の映画)
3.8
合っているようで合っていない邦題が印象的な本作。原題は「SUBARBIA」。米国の、住宅地や住人の生活様式を示す言葉らしい。どおりで日本人には馴染みのないわけだ。

製作ロジャー・コーマン。監督ペネロープ・スフィーリス。監督はパンクに精通した人物で、パンクスのドキュメントなんかを撮っている人物らしい。
そしてロジャー・コーマン×パンクと言えば、あのラモーンズが出演した名作『ロックンロール・ハイスクール (1979)』がある。
近く劇場公開(なんと日本初公開!)するらしいので非常に楽しみ。

さて本題。廃墟に住み込む少年少女たち(自らをT.R.と名乗る)は、邦題にあるようにパンクスではあるが、親に問題があったりドラッグにおぼれていたりと、社会から疎外された子供たちという意味での、要は生き様がパンクであり、実際にパンクをやっている(演奏している)わけではない。(少なくとも劇中では)。
そんな彼らの行き着く先はというと、まともに演奏が出来ず、ただ生き様がパンクであったシド・ヴィシャスのそれと同じようなものである。

また彼らが演奏しない代わりに、ライブハウスでのバンドマンの演奏シーンを観ることができる。83年の作品なだけあって、パンクと言ってもハードコアパンクの色が強い。
これは完全に僕の好みなのだが、僕はやはり、一瞬の輝きを放った初期パンクが好きなようだ(笑)


それと超余談だが、パンフ400円は嬉しい。薄いからってのもあるだろうけれど、最近のパンフちょっと高いからね。