ルサチマ

アンティゴネ~ソポクレスの《アンティゴネ》のヘルダーリン訳のブレヒトによる改訂版1948年のルサチマのレビュー・感想・評価

5.0
2回目

ストローブ=ユイレのベストなら『早すぎる、遅すぎる、』かコレかなー。
そういえば3年くらい前に新国立劇場で蒼井優が主演の『アンチゴーヌ』を観に行ったことを思い出した。
当時は演劇苦手なりに楽しんでいたが、ストローブ=ユイレのブレヒト版『アンティゴネ』の図々しさと観客を嘲笑うかのような同一シーン内での時間帯を明らかに無視した撮影。そして無茶苦茶なロケーションに被さるヘリの音に厳格な奔放さと言うべき感動を味わった以上、ストローブ=ユイレへの静かなる賞賛を送るほかない。


堀禎一『Making of spinning BOX 34days』と青山真治『ホフマン物語』と、立て続けに傑作に違いない舞台の記録映画を観たのだが、今日見直したストローブ=ユイレ『アンティゴネ』では、紛れもなく自然のその風を舞台装置へ導入し、現代日本の舞台記録映画の上記2本と性質を異にしてることに今なお最も先端を突き抜ける凄みを感じた。
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