ペイン

SF核戦争後の未来・スレッズのペインのレビュー・感想・評価

4.7
エドガー・ライト、S・クレイグ・ザラーらが大絶賛する、知る人ぞ知る“これぞTSUTAYA発掘良品!”ともいうべく名作にして超問題作。久々に再見。

イギリスBBC(英国放送協会)製作によるテレビ映画で、NATO空軍基地のあるイングランド北部の都市シェフィールドを主な舞台に、アメリカを始めとするNATO構成国とソ連がもし核戦争を開始した場合にどのような影響がでるか?を描いたシュミレーション映画。ドキュメンタリー風、すなわちモキュメンタリー映画の最高峰的1作でもある。

『火垂るの墓』やソ連映画『炎628』にも引けをとらない地獄絵図の連続には気が滅入りそうになるが、専門家から“核戦争とその余波の完全な恐怖と、その事件が人間文化に及ぼす致命的な影響を表現するのに最も近い映画“と評されているだけあり、ザラついたフィルムの映像等の凄まじい説得力でもって観る者をグイグイ引き込んでいく。

P.S.
劇中、飢え死にしそうになっていた男女二人が、放射能によって死んで汚染されていると思しき羊🐏の肉を食べるシーンは絶句。全編『ミスト』のラストのような絶望感が続くヤバい映画で、決して観ていて楽しい!だとか愛おしい!だなんて感情は沸いてこないが、映画体験としては意義深く唯一無二。
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