フラハティ

マージン・コールのフラハティのレビュー・感想・評価

マージン・コール(2011年製作の映画)
3.5
今日を忘れるな。
しっかり胸に刻め。


会社崩壊の危機。
一人の男が会社から解雇通告を受ける。
進めていた仕事のデータを部下に受け継ぐ。
世界経済の中心であるウォール街で、ある一人の男が危機に気づいた。

リーマンショックという世界中を混乱に巻き込んだ出来事。
サブプライムローンの影響で、リーマンブラザーズが倒産するというえげつない出来事により、多くの会社がリストラや倒産を引き起こした。
ってか本作の舞台こそ、リーマンブラザーズを参考にしたものらしいね。


本作の特徴は、世界経済の中心であるエリート揃いの会社においての戦略を練ること。
夜の22時に事が発覚するが、解決に向けて重役たちが一斉に揃う。
そして朝には全ては解決♪
そしてその解決法ね。
金ばかりのことを話している彼らを見ていると、やっぱり自分のことばかりを考えることが、金融界で生き残る術なのかもしれない。

アメリカの金融業界ってのは特殊な世界なんだろうか?
無知なので何とも言えないが、金融界で成功する人間はある程度共通した要素があるかも。
とにかく金を儲けたい。
人よりも金が大事である。
いくら金を持っていても足りない。
自分がよければ他人はどうでもいい。
使えるやつでなければ会社には必要ない。
人間としてのある一線を越えているような気がする。

会社のトップの人間を見ていれば分かる、人間として確実に欠如した性格。
自分さえ良ければいい、自分の会社が存続すればいい。
下の奴らなどどうでもいいし、ただ会社を動かすためだけに働かせている。
血も涙もない人間に狂気を感じる。
サムはまともな人間と、金の亡者の間で揺れ動いている。


たった一晩の出来事だが、夜中に判明した会社崩壊の筋書きが、たった数時間での対処を迫られる。
たった一日で人生が変わるって怖くない?
何も現実では起こっていないようだが、パソコンの画面のなかで、崩壊のカウントダウンはとっくの昔から始まっていた。
会社が生き残るためには。
何より“俺”が生き残るためには。
フラハティ

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