このレビューはネタバレを含みます
ベルトラン、ギョーム、シュザンヌという男女三人を軸とした群像劇。ベルトランは学生。ギョームはその友達だが放蕩息子で遊び人。シュザンヌはギョームがカフェで引っ掛けた結核予防センターで働きながら夜間の通訳学校に通う女性。
ギョームに振り回されるシュザンヌを哀れみつつ、シュザンヌが徐々に自分に好意を持ちながらも、それを疎ましく思いつつも、人として誠実に接しようとするベルトラン。
最終的にはシュザンヌはギョームとは別れ、別のもっと有望な男と結婚することになった。
ずっと哀れな踏みつけられるだけの女と考えていたシュザンヌが、したたかに自分の人生を選び取っていくことに感心させられるベルトラン。
ロメール作品の芯にある男に振り回されているようで、実はその男達とは別のところで強く生きている女性像、というのが感じられる作品だった。