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アメリカン・クライムのmatsuのレビュー・感想・評価

アメリカン・クライム(2007年製作の映画)
3.7
1965年アメリカで起きた16歳の少女虐待死事件の実話映画!!

可憐な少女(シルヴィア)の人生や将来を奪ったガートルード夫人を本当に許せない。シルヴィアが可哀想で可哀想で仕方がない。

残虐であり精神的に相当キツイ作品なので心臓が弱い方々はご注意を。



〜~以下ネタバレあり〜〜

移動遊園地を二人で営む夫婦が多忙のため、日曜礼拝で知り合ったシングルマザーのガートルード夫人(子供を6人育てている)に週20ドル払う約束で娘2人(高校生シルヴィアと中学生ジェニー)を数ヶ月間世話してもらうというお願いをする。

最初は子供たちと和気あいあいと暮らしたが、両親の週20ドルの支払いが遅れたのとシルヴィアと長女ポーラとの間にあった小さなトラブルをきっかけにガートルード夫人から2人への折檻・虐待が始まる。脚に障害を持つジェニーの分までシルヴィアは殴られる。それ以降、夫人に何か気に入らない事があると殴られ、タバコの火を体に押し付けられるようになる。

シルヴィアは清楚で可憐な少女(ジャケ写の少女)のため、同級生男子や街の男性たちからよくナンパされる。ガートルード夫人はそれも気に入らない(ナンパされる=淫売だと考える)。更生施設に入れた事にして学校を長期間休ませ、地下室に監禁して折檻・虐待をエスカレートさせる。

更に夫人は自分の子供たちにも殴るように虐待するように命令する。彼らは近所の友達も連れてきて多人数でシルヴィアへの虐待を繰り返した。映画内ではあまり描かれていなかったが、性的な虐待も相当あったはずである。

妹のジェニーはガートルード夫人が恐くて周りに助けを求める事ができない。助けを呼んだ事が知れたら、自分も同じめにあうと脅迫されていたから。ガートルードの子供たちも虐待やいじめが当たり前になり、善悪の判断がつかなくなっていた。

シルヴィアは体(腹部)に「私は淫売であり、そのことを誇りに思う」と火で熱せられた縫い針で文字を書かれさえもした。

数か月後、シルヴィアは死亡する。ジェニーがガートルード夫人とその子供たちが何をしたのかを全て警察に話し、彼らは逮捕され有罪判決を受ける。

本当にひどい。妹にも勇気を出してほしかったし、実の両親にも仕事を1日くらい休んで子供に会いに行ってほしかった。隣家の人々(悲鳴は聞こえていた)や近所の子供たちで誰か一人警察に相談する人はいなかったのか?

信じられない実話映画でした。未来ある若い女の子のシルヴィアが本当に本当に可哀想すぎる。酷すぎる。残虐すぎる。
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