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アメリカン・クライムのSUIのレビュー・感想・評価

アメリカン・クライム(2007年製作の映画)
3.0
なんて胸糞悪い…。

親の仕事の都合で、週20ドルで預けられたシルビア(エレン・ペイジ)と妹のジェニー。
預けられた先の母親ガートルード(キャサリン・キーナー)から、しつけと称した凄惨な虐待を受けることになる。

たしかにシルビアはポーラから口止めされていた妊娠したことを話してしまった。
それを根に持ったポーラから、母親ガートルードに躾と称した体罰を与えるように仕向けられることになる。
しかし、そのこと以外はシルビアに全く落ち度はないのに、ムチで叩かれ、タバコの火を押し付けられ、性器にコーラの瓶を挿入させられ、地下に監禁される、と五月雨式にエスカレートしていく。

周りの子供達も巻き込んでオモチャにされて、体に焼印まで刻み込まれて、そんなの命が助かったとしても人生終わりじゃないか。

経済的に困窮しているとか、亭主に逃げられ女手一つで6人の子供を育てるとか、若いヒモ(ジェームズ・フランコ)に食いものにされてるとか、喘息の症状に悩ませれているとか、鬱だとかいった、彼女の行いを正当化するような理由が明示されるけど、やっていることはまさに鬼畜の所業。
そこに同情の余地はない。

別居していた妻との夫婦仲と、サーカスの売店として巡業を優先して見ず知らずの女に預ける親の無責任さも甚だしい。

クライマックスの、良かった助かったからの演出ははなかなか効果的で(しかし悪趣味な)、映画としてはよくできた作品だと思う。

実話なだけにこの映画に罪はないけど、正直見なければよかったと後悔した。
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