藤原直樹

レールズ&タイズの藤原直樹のレビュー・感想・評価

レールズ&タイズ(2007年製作の映画)
3.5
名優であり監督作も傑作揃い、あのクリント・イーストウッドの娘さんアリソン・イーストウッドが撮ったドラマ。
いやー普通にいい映画だったよ。
まず、ケビン・ベーコンとマーシャ・ゲイ・ハーデンの演技が素晴らしくて、胸を打たれた。
子役の方も結構頑張ってて、もうちょっと表現力欲しいかなって程度。
劇中曲に関しても優しい音色がそれぞれのシーンにマッチしていて良し。
ただ、編集のぎこちなさが少しあり、時折はダレてしまう事もあり、元々地味な映画なのもあるが展開の起伏にも欠ける。

だけど、傷を抱えた者達の心の交流が爽やかな感動を呼び起こす秀作にはかわりない。
頑固でルールや規則を重んじるトムは周りの人間からしたら非情に見えるのだろうけど、彼は仕事が人生の大部分を占めてるからそうなってしまったのかな。
ガンで死にゆく妻の姿から目を逸らして、仕事に逃げていた彼が少年との出会いで変わり始める。
妻も少年を息子のように想い、一時の幸せを味わう。
少年もまた2人を親のように慕い、傷ついた心を癒していく。

重いテーマを扱っているが、重くなりすぎない爽やかさがこの映画の魅力。
藤原直樹

藤原直樹