hi1oaki

ヒップホップ・プレジデントのhi1oakiのレビュー・感想・評価

3.9
オバマが大統領選に立候補する4年前、おそらくジョージ・W・ブッシュの第1期に辟易して作られたであろう作品。
黒人の市議会議員がひょんなことから大統領として立候補させられるんだけど、その事の発端である“ひょんなこと”からの流れがちょっと短絡的で弱く、説得力に欠ける部分はあるんだけど、そこはまぁ“きっと他にもいろいろあっとんだよな”って感じで頭の中で勝手に未公開シーンを再生。
スカッとして気持ちのいい話ではあるけど、観終わってから“あぁ、でも現実ではこんなことはありえないかな…”と考えると悲しくなる話でもある。それだけ理想的(またある人にとっては悲劇的)な大統領選挙を描いてる。実際の悪い人達はもっとうまくやるよね…。あくまでも御伽噺的な“世論が大統領を選べるアメリカ”の話。
しっかり笑わせつつ、しっかり皮肉を込める。笑わせてはいるけど正論として心に響く。そのへんはやっぱりアメリカンコメディの懐の深さ。
欲を言えばもっと人種や宗教に深く切り込んで欲しかったとは思うけど、エンターテイメントとしてのバランスは良いと思います。楽しめた!
討論会でのクリス・ロックの演説はお見事。何度でも聞きたい。ゴッド・ブレス・全世界!
hi1oaki

hi1oaki