さすらいの旅人

アウェイクのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

アウェイク(2007年製作の映画)
3.6
母親の愛情は何よりも強し!
【VOD/WOWOWオンデマンド/配信視聴/シネスコサイズ】

いや~、傑作映画とは言えないが今まで観たこともないドラマの設定が面白かった。
医療サスペンスだが全身麻酔が効かずに意識が目覚める状態(術中覚醒)の恐怖を描いた作品だ。しかも、二転三転のどんでん返しがありエンタメ作品としてはまずまずの出来と思う。

前半は心臓疾患を持つ裕福な御曹司と秘書との叶わぬ恋から始まるラブストーリだ。後半は御曹司の心臓の手術と術中覚醒による想定外の事実を知るサスペンスを描いている。術中覚醒は会話などの音は聞こえるが体は当然ながら全く動かない。そのような状況下で彼はどうするのかが見所となる。突っ込みどころもあるが、時系列をうまく使いスリリングな展開に仕上げている。途中観客は度胆を抜く話の展開に驚くだろう。

本作の設定は大変ユニークだが、陰謀集団の悪役度が低く小者の印象なのが残念だ。もっと凄みのある悪役だったら、もっとドラマティックになったと思う。あと、欲を言えば手術の緊張感と恐怖をもっと増強して欲しかった。大変な心臓手術の割には設備が貧弱で人数も少ない。刺激ある出血場面も少ないのでリアル感に欠けていた。

主演は「スターウォーズシリーズ」で有名なヘイデン・クリステンセンと可愛いジェシカ・アルバだ。二人の息の合った演技に注目です。御曹司の母親役はレナ・オリンだが、最初は嫌われ役だが最後は愛情の強い母を好演していた。