Gewalt

若者のすべてのGewaltのレビュー・感想・評価

若者のすべて(1960年製作の映画)
3.8
妄念に取り憑かれたシモーネが狂人ならば無尽の寛容を持ったロッコもまた狂人。
「家族」を無条件に肯定しようとする価値観や、ナディアの意思を一切顧みない兄弟に感情がついていかず、個人的な感情から言えば肯定しがたい作品ではある。
ただラストのチーロの台詞から、ヴィスコンティ自身はそれらを突き放して見ていることは分かる。監督の意図を推し量るに、作品の主題は人間の歪さ・不完全さを描くところにあるのだろう。
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