すみこ

若者のすべてのすみこのネタバレレビュー・内容・結末

若者のすべて(1960年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ウエストサイドストーリー以来久しぶりに映画の登場人物にこんなに怒りを抱いた…
(アランドロン祭り第7作目!)

シモーネはダメ男すぎるだろ…
それに対してロッコの寛大さと言ったら…
私だったらチーロみたいに行動するなあと思いながら見ていたけれど…
あの家族には、1つのシチュエーションに対してさまざまな個人が取りうる行動が各キャラクターの形になって反映されている感じがした。

ルキノヴィスコンティ監督作品は2作目で、「ベニスに死す」の次なのだけど、おじさんの命のリアルさ加減、こちらはイタリアの貧しい家庭のリアリティが痛いくらい現実味を帯びた形で描かれていて、見ていて辛い。

ロッコ=アランドロン=ルキノヴィスコンティが大好きだった人なので、ロッコのアップの綺麗さ加減がおかしい。笑 画面が一人美しい。でもこれは本当にアランドロン会心の演技というか、演技力に脱帽。
シモーネがナディアを無理やり抱くシーンのロッコの涙にはいろんな感情が混ざっていたし、イタリア語が吹きかえられているらしいから表示とか細かいところで全てを表現している感じが全身から溢れていて、さすがでした。

ロッコが一応主人公なのだけど、一人一人にスポットライトが当たるのが良い。
ストーリーに怒りを覚えてしまったから多分繰り返しては見ないけど、アランドロンの美しさは目に焼き付けたいなあ…。
すみこ

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