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若者のすべての10000lyfhのレビュー・感想・評価

若者のすべて(1960年製作の映画)
3.5
ネオレアリズモでキャリアをスタートしたヴィスコンティのここまでの自身のキャリアの、そして同ムーヴメントの、集大成と言い得る 3時間近い入魂の大作。イタリア南部の田舎からミラノに移り住んだ母と 5人兄弟の姿は、そのままイタリア社会の戦後期から成長期へのシフトを象徴しているかのよう。ドロン演じるしっかり者の三男ロッコを中心に、性格やライフスタイルが五者五様の兄弟たちが繰り広げる愛憎入り交じりドラマに一喜一憂。マイナス点としては、次男シモーネとロッコに振り回され最後にはシモーネに殺されてしまう女性ナディアの描かれ方が悲惨過ぎ、また、シモーネとボクシングマネジャが暗い部屋でアート映像を流しながら口論し殴り合う第4部のシュールめなシーンが、映画にフィットしていないと思われた。名門企業で定職につき恋人もいる四男チーロの昼休憩後を見送り、ロッコのチャンピオンポスターを見ながら五男ルーカが帰路につくラストシーンには、この一家はもちろん、イタリア社会の未来への希望がこめられ胸熱
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