日記

若者のすべての日記のレビュー・感想・評価

若者のすべて(1960年製作の映画)
4.3
雪が降って、やった仕事だ!と沸き立つ兄弟たちが起き出して、外は雪が降る早朝のミラノ、寒い寒い空気に寝癖がついたままの格好でせかせかと熱いコーヒーにパンを浸して食べる、賑やかなシーンに、空気が伝わってきて、白黒の視界、こんなに色のあるシーンになるなんてと感動した

純朴で弟なアランドロンが拝めました
強いドロンしか観たことなかった
もう、こんな優しいひとが巻き込まれてめちゃくちゃになっていくのやだ
子供の頃からみれない、大人になってもみたくない
こんなものを作る大人たちは、なにかを教えたいのか、楽しませたいのか、今までの後悔なのか、どういうつもりで作ってるんだ

自分の欲のために踏みにじっておいて、自暴自棄になるナディアを可笑しな奴だって遠ざけるシモーネ
ロッコでさえも誰も、彼女の言葉に耳を傾けない
嫌味たらしく笑うしかできなくしたのは、誰のせいなのか、楽しかった一瞬、あっという間に拗れていく関係に、映画だと割り切れず落ち込む
優しく正しくあろうとしたロッコも、大切な女性を守りたかったヴィンチェンツォも、家族のため真面目に生きようとしたチーロも、不器用に歪んだシモーネも。
一方で、家族の悪いところに関わろうとしない長男、家族を顧みず自分のことしか考えない次男、家族にあまりにも慈悲深く自分や他人にはわりと冷たい三男、間違ったことは絶対にしたくない四男、振り回されながら思案する五男
普通に幸せになりたい、と願っては自分でおかしくしていく自堕落な人間を可哀想に思ってるんだろうか、この監督は

つぎはドロンの幸せになれる映画を観よう
あるかわからんけど

チーロが最後に言う

俺が一番シモーネを好きだった
シモーネは善人だった、だが義務を忘れ家族に迷惑をかけた、ロッコは聖人だ、だけどその寛大さがシモーネの破滅に拍車をかけたんだ、全てを許し自分が責任を負うことは必ずしもいい方向にはならない、絶対に許しちゃいけないこともある

故郷に戻りたい、でも、戻ったとしてもその故郷ですらずっと変わらないものはない
日々変化していくことを、そこで暮らす人々も分かっている
今さら戻っても同じことだ

こういう映画が怖くてみれない、
日記

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