カリカリ亭ガリガリ

クリーピング・テラーのカリカリ亭ガリガリのレビュー・感想・評価

クリーピング・テラー(1964年製作の映画)
5.0
「SF映画史上最悪の作品と呼ばれる悪名高き本作をやっと鑑賞し、半分馬鹿にするつもりで観ていたけれども、あらゆる技巧のあらゆる下手さが逆に不条理の磁場を発生させまくっていて、鑑賞中は恐ろしくて仕方なかった……。怪物の造形にしても(オエーという鳴き声が可愛い)、超絶多用のナレーションにしても、白昼で起こるあらゆる惨劇にしても、全てが悪夢的。悪夢としか思いたくない。まさしく不条理というものが(ボロ雑巾の)カタチとなって現実に現れたとしか言いようがないこのでたらめな悪夢を、映画と呼ばずして何と呼ぶか。映画は文学よりも強いのだ、と認識させていただきました。誰にも薦められないから、私だけが愛しておくよ」