紫のみなと

美しいひとの紫のみなとのレビュー・感想・評価

美しいひと(2008年製作の映画)
3.8
ラファイエット夫人作「クレーヴの奥方」をもとに制作された映画。日本の高校では「こころ」が国語の授業に出ますがフランスでは「クレーヴの奥方」を学ぶ。
原作を読んだ時もこの映画を観た時も、ラスト主人公のとる行動に、なんで⁉︎と思いましたが…。
この映画を初めて観たのはもう何年も昔で、本作でレアセドゥを知り、これはもの凄い新星が現れたなと思いましたが、あっという間に世界的な女優になりました。
レアセドゥのみならず陶器のような肌をしたリセの生徒達が恋に悩む姿は非常に美しく、そんなティーンに全く負けてないルイガレルの彫刻のような美貌もうっとりします。
元祖「クレーヴの奥方」であるキアラマストラヤンニが友情出演というのか、一瞬、主人公に向かって何かを示唆するように微笑むシーンも遊び心があって、印象的。
カフェで雨に濡れた髪を拭きながらジュークボックスから流れる歌を聴くレアの姿は、音楽のもたらすマジックが相まって、そのシーンだけで100を語っている。この古い歌が、誰の歌でタイトルは何なのか、どなたかご存知であれば、教えていただきたいです。