ユウコリリーナ

ザカリーに捧ぐのユウコリリーナのレビュー・感想・評価

ザカリーに捧ぐ(2008年製作の映画)
4.0
MXTVでやっていた日本未公開映画祭(2013年の番組)にて。
とても衝撃的なドキュメンタリーです。

ある町で、アンドリューという研修医が殺されるという事件が発生。
監督はアンドリューの幼馴染です。
アンドリューは誰からも好かれる好青年。
婚約者と破局した後、同じ医大出身のシャーリーという女性と交際していました。
しかしシャーリーは2回の離婚歴があり、3人の子持ち、しかもアンドリューよりはかなり年上。
この時点でアレな感じがしますが、アンドリューが別の病院へ移ったあと、ほどなくして2人は破局します。
が、彼女は未練たっぷりのストーカーと化し、ある日アンドリューは遺体となって発見されることに。
誰もがシャーリーが犯人だと疑ってやみませんでしたが、彼女はカナダへ逃亡。(帰国?この辺あいまいですw)
いったんは逮捕・起訴されたものの、なんとあっさり保釈されてしまうのです。
保釈金は人権派の精神科医が負担。許可したのは人権派検事。
やはり「人権派」というのは…(自重)

問題なのはその後。
実はシャーリーはアンドリューの子供を身ごもっていました。
ここから、アンドリューの両親が亡き息子の子供の親権を得るための戦いが始まります。
そして、このビデオはザカリーと名付けられた子供の成長記録として撮影されることになりました。

「君が生まれてきたとき、君のお父さんはもういなかった。
だから、お父さんを知ってもらうために、このビデオを作った。
大きくなったら見てほしいんだ」

しかし、事態は思わぬ方向へ向かいます。
本当に、まるで予想していなかった方へ。

一応、ネタバレはしないでおきますがw
これが事実だということが何よりも衝撃です。
そして、アンドリューのご両親の強さに感銘をうけました。(本人たちは望んで強くなったわけじゃないだろうけど)
感覚としては、光市母子殺人事件の本村さんや、拉致被害者ご家族の横田さん夫妻に近いかも。

司法ってなんだろね、とか
危険な人にはそれなりの対応が必要だよね、とか
色々と考えさせられる作品でした。