チッコーネ

ピープルのチッコーネのレビュー・感想・評価

ピープル(2004年製作の映画)
3.0
フランスでヒットしたコメディの第二弾らしいのだが、日本には第一弾が入ってきていないままソフト化されたようで、レンタル市場ですら大失敗した様子。
すでに店頭からは消えつつあるB級作品と言ったところか…、演出がベタ過ぎて笑えない場面も多い。
また「イビザに行ってキメまくり、クラブ三昧」というパーティピープルのライフスタイルを想像したこともない人には、そもそも理解不能な内容であろう(音楽監修はデイヴィッド・ゲタ)。

しかし馬鹿馬鹿しさの中にも、リアリティがなきにしもあらず。
日本にもクラブイベント周辺で「広告代理店の真似事」をしたがる痛々しい輩は多いが、ルパート・エヴェレット演じるキャラからは、その独特の胡散臭さ、儚さが濃厚に伝わってくる。
ゲイのメインキャラ(イビザでクラブ経営する成金)の、浅はかな飽食ぶりも真に迫っていたので、ジョゼ・ガルシアの役作りは評価したい。
またエリ・セムーンやジャン=クロード・ブリアリの怪演ぶりには「脇役」の枠を超えた珍味があり、欧州喜劇が含むシニシズムの凄まじさが伺えた。