ホア・シャンが監督を務めた、1975年公開の特撮アクション。
・このふざけたタイトルとパチモン感満載のルックスからつい嘗めてかかってしまいましたが、これは凄い！日本でカルト的人気を誇るのも大いに納得です。
・注目は「撮影:西本正/特撮デザイナー:三上陸男」という日本が誇る名匠たちの起用。特に見ものは、クモ怪人及びインフラマンの巨大化シーン。エフェクトすら無い超アナログな方法だけど、あんな巨大化シーンは日本でも見たことない！『LOOPER/ルーパー』冒頭のタイムスリップ描写にも通ずる「質素にして究極のリアル」イズムを堪能出来るこの巨大化シーンだけでも大いに観る価値あり！（作り手が同シーンにこうした意図を込めているかどうかは分かりませんが…）。
日本の映画ファンからも「伝説の香港映画」と称される本作ですが、その世評にも、いわゆるツッコミどころ満載のくだらない作風を珍味として楽しむタイプの「伝説化」と、事前の舐めた姿勢を反省したくなる程に本作の特撮作品としてのレベルの高さに陶酔しのめり込んでしまう「伝説化」に二分されるようです。そして私はどうなのかと言うと、完全に後者であります。確かに強引な話運びやトンデモ展開、円谷作品の無断引用といった失笑ポイントは多々見受けられますし、そりゃ私だって深夜に4~5人で宅飲みしながら観てみたいものですよ。ただ本作には単なるパクリや興行主義的な発想では決して為し得ない真っ当な特撮イズムが凝縮されていますし、更にはワイヤーを交えた素早くアクロバティックな格闘といった香港製作なりのオリジナリティも盛り込まれており、特撮好きとしてもアクション映画好きとしてもこれはどうしたって支持したくなる一品ですね。そしてこういったショウ・ブラザーズ作品を配信してくれるHuluにはいつも感謝しております。これだからやめられない。
でもフィギュアは要らないかな。
