諜報機関の分析官がエージェントとして極秘の任務に就く物語。全体的に主人公がふざけ通すだけの映画だが、大筋の物語はあるためクオリティが低くもスパイ映画としても楽しむことができる。コメディ面では主人公だけで成り立たせる笑いが多いため、飽きるとまではいかないが、パターンが固定化されていたので楽しみづらさはあった。主人公以外の登場人物も笑いを生み出す場面はあったが、物語に影響しないものばかりであった。主人公の笑いは物語の展開を作る機転になっていた分、笑いのバリエーションが多かったらより楽しめたと思う。
組織の内通者、主要人物の悲しくも努力を感じるバックボーンなど物語を通して薄さはあるがヒューマンドラマとしても成り立つ作品に仕上がっていた。組織の内通者に関しては誰なのか伏線が全く貼られていない分、予想外ではあった。主人公とヒロインはそれぞれ辛い経験を経ていて経験は異なるものだが、苦しさという面では同じ辛さを味わっている。辛くもその壁を乗り越えた人生に全力で生きている主人公たちの姿はかっこよくて、勇気をもらえた。主人公の失敗続きでも前向きに捉え、次に生かそうとする姿勢はどんな人間であっても見習わなければならないと感じた。
