暴力と破滅の運び手

小悪魔はなぜモテる?!の暴力と破滅の運び手のレビュー・感想・評価

小悪魔はなぜモテる?!(2010年製作の映画)
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『ピーター・ラビット』の監督さん。

アメリカの高校が舞台で、友人にセックスをしたと嘘を吐いたらそれが学校中に広まり、そこからゲイや非モテの男の子が(恐らくはスクールカーストに関係する切実な問題から)「お金を払うからヤッたってことにしてくれないか」というお願いをされるようになってしまい……という話を、ウェブ配信という枠構造や白黒映画版『緋文字』『ハックルベリー・フィンの冒険』、あるいは80年代恋愛映画などを援用しながらスマートに語っている。

最高のシーンがいくつもいくつも出てくるのですごい。服をじゃきじゃき切り刻んだかと思えばそれをホーソーンの「緋文字」よろしくAの字に加工して服に縫いつけて登校するとか。最後のスピーカー→芝刈り機もよかったしね。
セックスしているように見せかけるためにゲイの男の子とパーティホストの部屋のベッドで頑張って飛び跳ねるシーンは必見だと思う。

顔もとてもきれいに撮れている。エマストーンに関しては前回の記憶がララランドなので、彼女がきれいに映っているだけで何となく嬉しいのである。出色はゲイの男の子と自宅で会話するシーンと告解室でのレースみたいな影の処理。